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5.堕とす
弘毅が里菜のマンションに泊まった日から、事態は変わった。
姉ちゃんの話では、弘毅が異常に機嫌よくなったらしい。仕事でトラブルがあって泊りになり、週末が潰れたというのに。
散々無視されて溜まっていたところに、枯れるまで中出ししたからだろうか。
変わったのは、里菜もだ。
あの日から、毎日のようにマンションに男が来てはヤリまくっている。いつも違う男。
タガが外れたなんてレベルではなく、もはやタガなど持ち合わせていないと思えるほど。
発情期の獣さながら。
里菜の相手は、外見からしてヤバそうなのもいれば、プロっぽいのもいる。
「さすがに、自信なくなってきた……」
遼平さんが呟いた。
本日の里菜のお相手は二人。
マジで三人でスル気だったんだ……。
「ここまでくると、依存症っぽいな」
「セックス依存症?」
「ああ。でも、っぽいだけで違うと思う。この女の場合、男を服従させたくて仕方ないんだろうな。征服欲? 手っ取り早くそれを満たせるのがセックスなんだろう。サせてやってる、イカせてやってる、って感じ?」
「そういうもんですか」
遼平さんが咥えている飴にちゅうっと吸い付いて口から出した。
「知らね。俺はヤラしてもらってるなんて思わんし」
「けど、じゃあ、なんで不倫なんて面倒なことしてんですかね」
「遊び、スリル、優越感。知らんけど」
そう、わからない。
これだけ男をとっ替えひっ替えしていても、店には通い続けている。
必ず、俺か遼平さんがいるかと聞く。
そして、いないとわかると帰っていく。
「明日は店に出るか」
「はい」
「その前に、香坂さん家な」
「はい」
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