22人が本棚に入れています
本棚に追加
私は直接お父さんに聞いてみることにした。お父さんがサンタさんなはずはない。そう信じて。
「ねえ、お父さんってサンタさんなの?」
リビングのソファに寝転がっているお父さんに問いかける。
「えっ?」
お父さんはキョトンとした顔をする。
「お父さんって、サンタさんなの?」
私がもう一度言うと、お父さんは「はっはっは」と大きく笑う。
「お、お父さんがサンタなわけないじゃないか。何を言ってるんだ」
私は、お父さんの右のこめかみが、ピクピクと動いているのに気づいた。お母さんが前に言ってた。お父さんは嘘をつく時、右のこめかみが動くと。
「そっか。分かった」
私は自分の部屋へと戻る。頭がクラクラしていた。
最初のコメントを投稿しよう!