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「ねえ、クミちゃん。相談があるの」
私は、アパートの隣の部屋に住むクミちゃんの家に来ていた。先ほど知ってしまった事実を誰かに言わないと、おかしくなりそうだったからだ。
「実はね、私のお父さんって、サンタさんなの」
「本当に?」
クミちゃんは目をまん丸にする。
「そう、お兄ちゃんが言ってたんだけど、私のお父さんはサンタさんらしいの。確かめてみたら、どうも本当みたいなの」
「それって、すごくない!」
クミちゃんの瞳がキラキラと輝いていた。
「ミナミちゃんのお父さん、サンタさんなんてすごすぎるよ! うらやましい」
「えっ、いや、そうなのかな」
私は、騙された! と思っていたが、よく考えればお父さんが実はサンタさんだなんて、確かにすごいことだ。
「じゃあ、ミナミちゃんも将来はサンタさんなの?」
「えっ、なんで」
「だって、親がサンタさんなんだったら、ミナミちゃんも大人になったらサンタさんになるんじゃないの?」
私が、将来サンタさんになるかもしれない。そんなこと考えもしなかった。しかし、その真実に、私の心がときめいていた。
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