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ごめんなさい
お江戸の女中と高校生のサトと里。
なんで入れ替わってしまったのだろう?
それは、見習い天使のちょっとした間違いだった。
見習い天使のお仕事は人が眠っている時の夢を幸せにすること。
見習いなので一回本人を手元に連れてきてそっと頭に触れると夢を送り込める。大天使様たちは空の上からでもその人の夢に入れるのだけれど。
そして、夢を頭に送り込んだ後、元の場所に返すと言う作業を延々と繰り返していた。
楽しい夢を見てもらう理由は、楽しい夢を見ながら起きるとクリスマスのその日一日幸せな気分で過ごせるから。
見習い天使がいるくらい高いところから見ると、江戸時代も現代も通りを挟んで隣り合って存在するのだ。
段々クリスマスの朝が近づいて、とても慌ててしまった見習い天使。
通り一つ向こうのサトと、同じ名前の里を一遍に連れてきて、同じ夢をそっと頭に送り込んで元に戻すつもりだった。
ただ、地上の目印はアルファベットで両方とも『SATO』と書かれていたので、二人を間違えて違う時代に返してしまったのだ。
無事にクリスマスの朝を迎えて、見習い天使がほっとしている時、大天使が見習い天使の頭を翼の端でコツンと叩いた。
「間違えて戻しているよ。元に戻して。」
と、里とサトのいる通りを翼で示した。
下界の混乱を目の当たりにした見習い天使は大層驚き、急いでもう一度違う時代の布団とベッドに戻された里とサトを自分の元まで運んだ。
そして、今起きたことを夢だったと、頭にそっと押し込んで、それはそれで面白かったな。なんていう感想もついでに入れておいた。
そして、サトは江戸時代の薄い布団に、里は自分の部屋のベッドに今度は間違えないように慎重に戻した。
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