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目が覚めて
里は自分のベッドで目を覚ました。
部屋も良く見渡した。
そして、やっぱりさっきのは夢だったんだね~。と思い、
制服に着替え、下に降りて行った。
「ママ、お腹すいちゃった。っていうか、何で起こしてくれなかったの?部活遅刻じゃん。」
ママはきょとんとしながら、
「里、大丈夫?さっき様子が変だったのよ。朝餉の支度をしなきゃだの言っているし、見たことの無い薄い浴衣着ているし。」
「大丈夫なの?」
「うん。あれ?さっきのは夢じゃなかったのかな?」
「ま、いいや、なんだか楽しかったし。」
と、トーストをかじりながらスクランブルエッグをつついた。
サトも自分の薄い布団で目を覚ました。
いつもの女中部屋だ。
なんだ、さっきのは夢だった。さて、急いで朝餉の支度をしなければ。
と、お仕着せに着替えて、急いで台所に降りて行った。
「サト、あんた大丈夫なのかい?着物の着方が分からないだの変なこと言ってたけど。」
「朝餉の支度はもう済んだからあんたも早く食べてしまいな。」
と、言われ、いつもの朝粥と、沢庵をパリポリと急いで食べた。
さっきのは夢だったのかしら?あんなフカフカのお布団で起きる夢。きっと吉兆だわ。と楽しく思い返すのだった。
********************
見習い天使は、クリスマスの朝の特別な一日の始まりを混乱させたことを、大天使から少し叱られた。
でも、クリスマスの朝の事だし、二人の里とサトは二人とも夢を楽しかったと思ってくれたのだからと、許してもらった。
そして、下界の里とサトに向かって
『ごめんなさい。』
と、十字を切った。
【了】
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