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「ええっと・・・私はどうやって、このトラックの荷台に登ってきたんだっけ・・・?!」
野良ネザーランドドワーフウサギのなのは、ガタガタ揺れるトラックの荷台の片隅でずーっと考えていた。
「確か・・・雑木林を抜けて1面の大草原のど真ん中を私は駆けていたよね?
で、上空から1羽のノスリかタカか忘れたけど、そういうのが私を狙って飛んできたよね?
で・・・私を脚の爪で掴まれて、「あー私はもう終わりだ・・・」と命乞いしていたら、突然名案が浮かんできて・・・
そいつの脚をコチョコチョとくすぐったら・・・トラックの荷台に落っこちて・・・
今ここに居ると。」
がーーーーーーーーーっ!!
どすん!!どすん!!どかっ!!
がんっ!!
「あいてててっ!!」
突然荷台が揺れたと思うと、ネザーランドドワーフウサギのなのはバランスを崩して、奥の壁に頭をぶつけてそのまま気絶してしまった。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
「・・・ん・・・んんんん」
再びネザーランドドワーフウサギのなのは、トラックの荷台で目を覚ました。
「でも、結果オーライ!!これで憧れのクロウサギに逢いに行けるんだ!!きっと・・・って、ここは何処なんだ?」
ネザーランドドワーフウサギのなのは、停車中のトラックの荷台からジャンプして飛び降りると、辺りを見渡した。
「わ、解らん!!夢に出てきたクロウサギなら、こんな時どう対処してたんだっけ?」
ネザーランドドワーフウサギのなのが夢に出てきた、目の前のクロウサギの事を考えた。
「クロウサギ・・・アマミノクロウサギ・・・はっ!」
なのは、何でここまでして何の為に来たのか思い出した。
「アマミノクロウサギになりたい!!
その一心に駆られて、アマミノクロウサギに逢い行こうと一心不乱に駆けていったんだっけ?
それをノスリに襲われるのも、ノスリの爪から逃れて走ってるトラックの荷台に墜ちたのも、その切実な思いに運命が生んだ偶然じゃないかな?」
そう思うと、ネザーランドドワーフウサギのなのは、段々心がワクワクしてきた。
「わたしは、アマミノクロウサギになる準備をされてるんだ!アマミノクロウサギ私はなる!!」
・・・って、何で私はアマミノクロウサギになりたいと思ったんだっけ・・・?
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