「おいしい」の魔女と宝石のトマト
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それは、高くなだらかな丘の上にあった。 “風の丘”とよばれるその丘は、青い草原がゆったりと曲線を描いて広がり、一年を通じて、清らかで涼やかな風が、これまたゆったりと、おだやかに流れている。 風の流れは、時おり低地へと銀鈴のようなやわらかな少女の声を運び、ひとびとはうわさした。 風の丘には、愛くるしい少女の妖精が、あるいはいとけない子どもの魔女が棲んでいる──と。
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