よるのほいくえん

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「それじゃあ、返してあげなきゃな!」うっくんは腕組みして言いました。 「この辺に置いておけば分かるんじゃない?」 ヒメちゃんは教室の真ん中あたりを、トントンたたきました。 「うーん、だれかにけとばされないかな?」 ひーちゃんは首をかしげました。 「よし! ぼくたちでハナ先生の机に届けてあげよう!」  うっくんが「えいえいおー」と手を振りあげました。  うっくんは指輪を拾おうとしましたが、ウサギの人形の手は、小さな物をつかむのには向いていません。 「うーん、うーん」 「ぼくにまかせて!」  ひーちゃんがペロ~ンと長い舌をのばしました! 指輪はフェルトで出来た赤いベロにくっつくと、ひーちゃんの口にパクリと入りました。 ece89236-3da9-4492-a8c3-91eefc60e698イラスト:ハナ様 「やったね!」  3匹はとことこ行進して、ハナ先生の机の下にやってきました。  3匹はかわるがわる得意のジャンプで、ぴょんぴょん飛び上がりましたが、届きません。 「とどかないね」
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