よるのほいくえん

「のぼれないかな？」

　３匹は机の足をよじ登ろうとしましたが、少し登っては、ツルリン！　すべり落ちてしまいます。

「こうなったら～！」

　うっくんがひーちゃんをえいっと肩車しました。

「ひめちゃん、上に乗って！」
「えっ！　わたしが１番上にのぼるの？　こわいよ～」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ！」

　ひーちゃんは指輪をひめちゃんにわたしました。それから長いベロでひめちゃんのおなかをつかむと、上にポーンとほうり投げました。

　ひめちゃんはクルクルっと宙返りして、見事にひーちゃんの肩に着地！

「やったあ！」

　あとは指輪を机の上に乗せるだけです。
　ひめちゃんが机の上に手を伸ばそうとした時……、保育園の玄関の鍵がカチャンと開く音がしました。

「わあ！　だれかきたよ！」
「どうしよう！」

　三匹がおおあわてで、きょろきょろすると、かたぐるまも、みぎにぐらぐら、ひだりにゆーらゆら！
イラスト：ハナ様