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「ちょっとあーさん飲み過ぎじゃない?」と女性の隣にいる、いかにも、編集者っぽい、眼鏡でスーツを着た女性が、「いっくら推しの受賞パーティーだからといって。ほどほどになさいよ」
ここで雨音のなかで『繋がった』。今回の、文学賞を受賞した作家は、元々、インターネットで小説を書いていた、アマチュアの作家だ。出版経験はなかったらしく、これから商業作家デビューとなる。
雨音は元々そのネット作家のファンだった。……それで、矢も楯もたまらず、この展開。
眼鏡の編集者チックなかたが言う限り、こちらの深紅のドレスを着た、いかにも、悪役令嬢です!! ……って感じの女性も推しが同じらしい。雨音は曖昧に微笑み、弟に断りを入れ、ひとまずパーティールームを出る。
……やれやれ。
ああいう華やかな場は苦手だ……でも……せっかくの。望結先生のデビューなのだから……。
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