◇03. 三度目の君

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 青年はまっすぐに――雨音のほうへと向かっていた。青年はちょっと笑い、ジャケットを脱ぐと――精悍な、ワイシャツに包まれたからだつきが露わとなる。サスペンダーまでつけていてジェームズボンドかよと。  そのジャケットで雨音の顔を隠すように被せると、……大量のフラッシュが焚かれるなかを、青年は堂々と、雨音を外までエスコートしていた。  *
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