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友達になりたい
「あの……」
本を読んでいる北山くんに控えめに声をかけると
「何?」と微笑みを浮かべながら聞いてきた。
尊い。
「な、何の本読んでるの?」
「あぁ『放課後、夕日色に染まる』だよ」
「あ!わたしも同じ本持ってるよ!」
「マジで?!」
そんな感じでわたしたちは
いつの間にか打ち解けていた。
意外と簡単に打ち解けられたことに
自分でも驚く。
北山くんは思ったより天然で
話すのがとても楽しかった。
翌日もその翌日も本について語り合い
気づけば友達になっていた。
わたしはLINEで北山くんに『土曜日、本屋さんに行きませんか?』とデートのお誘いをした。
既読がすぐにつき、『いいよ!』の返事。
わたしは嬉しくて飛び上がりそうだった。
実際に飛び跳ねてお父さんに怒られたけど……。
わたしは再びLINEの文面を見つめて
フニャリと笑ったのだった。
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