友達になりたい

1/1
前へ
/6ページ
次へ

友達になりたい

「あの……」 本を読んでいる北山くんに控えめに声をかけると 「何?」と微笑みを浮かべながら聞いてきた。 尊い。 「な、何の本読んでるの?」 「あぁ『放課後、夕日色に染まる』だよ」 「あ!わたしも同じ本持ってるよ!」 「マジで?!」 そんな感じでわたしたちは いつの間にか打ち解けていた。 意外と簡単に打ち解けられたことに 自分でも驚く。 北山くんは思ったより天然で 話すのがとても楽しかった。 翌日もその翌日も本について語り合い 気づけば友達になっていた。 わたしはLINEで北山くんに『土曜日、本屋さんに行きませんか?』とデートのお誘いをした。 既読がすぐにつき、『いいよ!』の返事。 わたしは嬉しくて飛び上がりそうだった。 実際に飛び跳ねてお父さんに怒られたけど……。 わたしは再びLINEの文面を見つめて フニャリと笑ったのだった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加