恋はしないと思っていたのに

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恋はしないと思っていたのに

幼い頃は恋なんてしないと思っていた。 父と母はわたしが十歳の時に離婚し、 父がわたしに言った言葉が忘れられなかった。 『愛し合う二人が結婚すればそれは家族愛となり、 相手の悪いところも見えてくる。 永遠に続く愛はないんだよ』 早い子で小学生のときから彼氏がいる クラスメイトがいた。 わたしはラブラブな二人を見て いつかは別れがくるのに。と冷めた目で見ていた。 それは中学生になっても変わらずだ。 友人達が恋バナをする中、わたしは適当に相槌を打ち やり過ごしていたものだ。 高校生になり、学年が上がっていくにつれ、 『◯◯と◯◯が付き合ったらしいよ』 『◯◯好きな人いるらしいよ』 という噂話が気になるようになってきた。 わたしも乙女なのだ。 そんな噂が気になる年頃だろう。 そんなある日、わたしは恋をした。 恋はしないと思っていたのに。
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