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腹が出た、だからなに
腫瘍に関することの前に、少しだけ自分のことをお話します。
見た目は決して華奢ではなく、骨太でがっちり。肩幅と骨盤がゴツい。
そしてお腹まわりに肉がつきやすい。
家族も似たような感じなので、体系・体格に関してはおそらく遺伝もあるのかなと思います。私は会ったことないですが、曾おじいさんもそうだったとか。
祖父が亡くなって、デビューして、その数年後からは祖母の介護・介助をしており、見た目や食に気を使っている時間はありませんでした。
動きやすい服装、パパっと食べられるインスタントやコンビニごはん、自分の時間は家族にバトンタッチできる夜中だけ。
夜中やどうにかつくり出したすきま時間に、自分のことをしていました。
祖母が亡くなってからは何をしていたかなとエッセイを書くために思い出そうとしましたが、ひたすら落ち込んでいたこと、そんな時にかぎってロクでもないことや理不尽なことが続いたこと。
そして「作家という仕事だけは手離してなるものか」と、とにかく必死だったこと。それしか覚えていません。
――落ち込んでいるか、怒っているか、書いているか。
数年間はそんな状態だったので、言ってしまえば、たかが腹が出たことにかまっている場合ではなくて「だからなに」とくらいしか思っていませんでした。
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