うちのチワワ1匹分

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うちのチワワ1匹分

コロナが少し落ち着いたタイミングで新規の患者受付を再開されていたので、病院を予約して診察に行きました。 初めての婦人科で緊張しましたが、診察室に入ってすぐの先生からの「よく勇気を出してきてくださいましたね」という言葉にほっとしたのを覚えています。 そこからさっそくエコーなどの検査で、自分のお腹の中の様子を見てもらいました。別室での検査を終えて診察室へ戻ると、さっそくお腹の中の様子がうつっているモニター画面を見せられました。 「大きすぎて映りきりません」 「はい?」 なにを言われているのか正直わからなかったです。 見せられた画面はとくに変わったものや塊があるわけでもなく、ただこれがお腹の中なのかというのが、画面一面にうつっているだけ。 どういうことなのかとわからない私に、先生は説明を続けました。 「今、画面に映ってる、これね。全部腫瘍です」 「ぜんぶ、腫瘍……」 「これでも腫瘍の一部。一部しか映ってないんですよ、大きすぎるから」 「はぁ……」 「おそらく3キロくらいですかね」 とくに変わったものがないと思っていた画面は、ただ腫瘍がどアップ状態で映っていただけだと先生の説明で初めてわかりました。 (3キロて、うちのチワワ1匹分やん……) 病院に行くと決めた時点で何もないことはなかろうと思っていたこともあって、この時の私はまだどこかのんきにそんなことを思っていました。 そこから腫瘍が大きいこと、とにかく早い方がいいと大きな病院を紹介され、大きな病院で改めて検査と診察を受けることが決まりました。
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