そして倍になる

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そして倍になる

紹介された大きい病院では、すぐに検査に回されました。 検査といっても、この段階では婦人科の病院でした検査のさらに詳しい版のようなものでした。 ただ家族と一緒に行ってほしいと言われていたので、母親にも1回目の診察には付き添ってもらいました。 検査を終えて、母親と一緒に診察室に入って、先生からの説明を受けました。 「あのですね~」から始まった説明は婦人科の先生の説明とほとんど同じではあったものの、ここで腫瘍の大きさが判明しました。 「6キロの腫瘍ですね。厳密には開いてみないとわからないですけど」 (6キロて……倍になってるやん)   我が家のチワワ×2匹分が腹の中にいたら、そりゃあ体重重くもなるわと妙な納得感がありました。 我が家のチワワは抱っこが大好きで、隙さえあれば抱っこされながら寝ようとするんですが、そのせいで何度も腱鞘炎になりかけたことがあるので、そんなのが2匹分は大変だなと。そんなイメージでした。 さらに大変なのはここからで、腫瘍の摘出手術はお腹に小さな穴をあけた腹腔鏡手術もあるけれど、私の場合は腫瘍が大きすぎるので回腹手術になるということ。 そして腫瘍がいつ破裂してもおかしくない状態なこと、腫瘍の中にある「ねん液」が少しでも外に漏れたらかなりマズイこと、そのため1日でも早く手術したほうがいいと言われました。 かなりマズイってどれくらいですかという質問には「最低でも救急車、最悪でも救急車」と、いつかの金メダルを思わせる言葉が返ってきました。 さらに診察の中で「痛いとかしんどいとかなかったの?」と言われたので「まったくなかったです。ふつうに腹筋とかコルセットとかしてましたし、自転車のって買い物も行ってましたし」と答えたところ「今日から全部禁止ね」と言われました。 その時は「なにやってんの?」みたいな顔されたのが解せなかったものの、そりゃ破裂したり、ねん液がちょっとでも漏れたらやばい状態の患者が腹筋とかコルセットで締め付けてたら、そんな顔にもなるわなと思います。 この後、手術の日取りが決められ、手術前の入院・精密検査の日取りが決まっていきました。 人生で初めての入院手術になるので不安はありましたが「やらな仕方ないしな」という気持ちでした。コロナのこともあり、入院が手術ギリギリだったのでウダウダと不安に思っている時間が少なかったんだとも思います。
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