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小学生の頃から俺には誰にも言えない秘密があった。それは『万引き』が癖になってしまっている事。
夏の暑い日の昼間、相も変わらず俺は大して欲しくもないガムを一個ポケットへ入れてコーヒー缶を買って店を出て歩いていれば肩を叩かれてビクッと振り向けばボサボサの髪で目元も見えず、黒シャツに黒ジャージの下を履いたサンダル履きの男。コンビニ店員では無い…
「お兄さん…そんな事していいの…?」
「っ…!?見てたのか…」
人生で一度もバレた事無かったのに…汗は冷や汗となり流れ落ちてゆく。
「バラされたくなければついてきて」
「脅しかよ…」
俺の写真をスマホで撮影してから俺の手を離して歩き始め、俺は他の選択肢が無くついて行くことにした。
そこは庭付きの一戸建てで、中へ入ってゆけばゴミなどが散乱していて使用済みゴムも落ちていて俺は男を見た。
男は中を案内してきて、警戒していれば別に何かをしてくる様子もなく奥の部屋へと消えて行った。ついて行くべきか悩んでいればインターホンが鳴り、扉が開いて出ろとだけ言って閉められた。
訳が分からず扉を開ければ露出度高めの若いチャラそうな女が居て、不思議そうに俺を見ている。胸が服からこぼれ落ちそうなほどで、視線のやり場に困る。
「センセー居んの?っつかあんた何?」
「え?俺?…俺はその…」
まさか万引きバレて連れてこられたとは言えず、困っていれば俺の隣をすり抜けて靴を脱いであがってゆき奥に居るのを知っていたかのように奥へと消えて行った。
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