それはまるで奴隷のような扱いから始まった

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目を覚ませば明るくてもう朝なのだと思った。汗だくになっていて、昨日の傷を見れば包帯が巻かれていて驚いてそこに触れる。ズキっと痛くて眉間にシワが寄ったが、ふと床が濡れているのに気付いた。 俺の汗だと気付き、掃除の為に立ち上がろうとしたが目眩がして膝から崩れ落ちて手をついて頭を抑える。目の前がグラグラして気持ち悪い… 水…欲しい…やばいこれ熱中症か…?四つん這いで台所へ向う途中廊下に汗が垂れてゆくが気にしていられない。このままだと本当に死ぬ… 台所へ来たが水は許可なく飲むなと言われていたのを思い出し、とりあえず体を冷やす為に風呂場へ向うが動くのがしんどくなって横になり休憩をする。 フローリングの床が冷たくて気持ちいい…だがこんな姿見られたら何をされるか分からなくて、なんとか体を起こしたが力が抜けて崩れ落ちる。 「やば…」 本気でやばいと思いなんとか体を起こして這いずって進む。だが近いはずの風呂場が遠くて意識も薄れてきてしまっている。 暑い中水も飲まずに寝ていたのが良くなかったかもしれないが、俺にはそれ以外の選択肢が無かった。男の気配は無くてまだ寝てるのか出かけてるのか…とりあえずあいつの名前も知らないなと思いながら目を閉じた。
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