それはまるで奴隷のような扱いから始まった

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唇に何か触れる感覚があり、冷たい物が流し込まれ俺はそれを飲み込んでゆく。そしてふわっと体が浮いて暖かいものに包まれていて、暑いはずなのにそれがとても心地よく感じた。 ハッと目を覚ますとクーラーの効いた寝室のベッドの上で、部屋の電気は消えていて暗く今は夜なのだと気付く。朝から夜まで意識飛んでたのか俺… 片手で顔を覆いながらため息をついたが、ふと唇に触れたものを思い出す。柔らかくて心地よくてそれでいてどこか苦かった気がする… 「あれは…何だったんだ…?」 起き上がってふとベッドサイドのテーブルを見れば灰皿が置いてありそこにはタバコが数本置いてある…あの男あまりタバコの臭いしなかった気がするが… それを持って見ていたが、少し咥えてみて驚いた。確かに俺が感じた苦味はこれだったような気がする…それにここに俺が居るって事は…あのふわっと浮いた感覚は…抱き上げて連れてきてくれた…のか…? タバコを置いてベッドに横になり、丸くなって枕の匂いを嗅げば確かにこの匂いがしていた気がする。もっと乱雑に助ける事も出来たはずなのに…なんで急に優しくするんだよ… 「俺…キス…したんだよな…あいつと…」 自分の唇に触れながらあいつの顔を思い出す。ボサボサの髪だが声は良いし、きちんとすればイケメンで男女構わずモテそうなのに…なんでこんな俺なんかを…?
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