それはまるで奴隷のような扱いから始まった

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「どうでもい…」 ため息をついて手を離されれば俺は首に手を回して抱きつく。自分でも驚いているんだが、男はシャワーをとって俺ごと自分の石鹸を流してゆく。暖かい湯がかけられたのは初めてかもしれない… 引き剥がそうとされるがギュっと抱きつき、舌打ちをされてしまう。優しく背中を撫でられ、俺がゆっくり離れると間の石鹸も流してゆく。 「で、俺に媚び売って解放してもらおうと?」 「ちがっ…俺もわかんないけどっ…」 助けてくれたから。家で死なれたら困るから助けてくれたのかもしれないけれど、それでも俺は…意識し始めてしまったから… 「名前…教えて…」 「なんで俺があんたに教えてやらなきゃ…はぁ…拓真。獅堂拓真」 「たく…ま…?拓真…」 ゆっくり頬に触れれば拓真も俺の頭の後ろに手を回して引き寄せてきて唇が近付いて俺が目を閉じればインターホンが鳴る。 唇は触れる事も無く俺は膝から降ろされた。そして体を拭いて腰にタオルを巻いて出てゆき、俺は自分の唇に触れながらドキドキしていた。もう少しで…キス…したよな… 俺も体を拭いて出れば拓真と一緒に歩いているのは若い男で、いつものあの部屋へと消えてゆく。もしかして…あの男も拓真に抱かれるのかな…
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