それはまるで奴隷のような扱いから始まった

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いつもパンの耳とか拓真の残り物を食べていただけなので、ちゃんと食べるのは久しぶりかもしれない。茶も手に注がれその手から飲んだ。 拓真自身は箸で普通に食べていて、見上げていればまた手に乗せて食べさせてくれる。食べ終わったのかゴミをゴミ箱へ捨てて、手を俺の目の前に出してきたので舐めてゆく。 しばらくして手を引っこめられ、見上げていれば鎖を持って歩かれ立ち上がればじっと見られたので四つん這いでついて行く。 洗面所に来て拓真は歯を磨き始め、それを見上げていれば目が合ったがまた拓真は鏡に視線を戻した。しばらく磨いていれば口をゆすいで歯ブラシを洗って片付けて新品の歯ブラシを出して歯磨き粉を付けた。 そして風呂場へ行きその中でしゃがんで俺を見ていて、おずおずと口を開けば歯を磨かれてゆく。変な気分になってくる…しばらく磨かれていたが手で水を掬い俺を上に向かせて口へ流し込んでくる。 口内をゆすいでそれを吐き出せば、拓真はそれをシャワーで流してからシャワーを止めて歯ブラシを洗って洗面所まで連れてこられて片付けている。 そのまま引っ張られて寝室のベッドに上げられる。困惑して見ていれば拓真はベッドに横になりあっという間に眠りに落ちてゆき、俺は見下ろしていたが唇に微かに触れるキスをして擦り寄って横になり目を閉じる。あの味がした…苦いあの味が…
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