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まずフライパンが流しに汚れたまま突っ込まれていて、それを洗うところから始めてゆく。他にも食器類は流しに溜められていて、それらもなんとか洗ってゆく。
自分の家でもほとんどやった事ないのに、他人の家の食器洗う事になるとは思わなかった。とりあえず洗い終われば卵を割って味付けをして、フライパンで炒めて皿に盛って男の居るであろう部屋へ持ってゆきノックをする。
「なんだよ」
「その…これ…」
「は?お前それが晩飯でいいと思ってんの?」
「お、俺にはこれが精一杯っ…!」
差し出せば眉間に皺を寄せられ、おずおず差し出せば皿ごと手を払われ皿を落としてしまって床に卵が散らばってしまう。
しゃがんで手で拾おうとしたら男もしゃがんで髪を掴んで自分の方へ向けてきて口元が歪んでゆくのが見える。
「食い物粗末にしねーよな?ほらわかるだろ?」
「な、だって…」
床は埃まみれで汚くて、そこに落ちたものなんて食べれたものじゃない。しかも割れてしまった皿の欠片も落ちてるのに…?
「警察に突き出したらあんたの周りはあんたをどう思うんだろうな?」
「っ…!?」
俺は床を見て、手をついて落ちたそれを食べてゆく。美味しくない…埃とかもあるかもしれないが、こんなもの美味しいと思えない…
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