なりたかった者

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たまに、優しいコメントで面白いです。といただけるようになっていた。 観覧数もだんだんと増えてきていた。 そして、5年後。 私は、紗海との約束を果たすことになった。 才能がなかった私でも諦めずに紗海のためにと、小説を書き続けた結果。 1つの友情作品がノミネートされた。 そして、紗海から連絡があり本を出さない?と提案が来た。 澪はやっと、紗海との約束を果たすことができた。 「澪ちゃん、頑張ったね。というか、面白いんだからこれからも私の出版社で本出してよ」とニコッと笑った。 「はい。それもこれも紗海さんがあの日言ってくれたおかげです。それに、瑠美さんも。あの日、2人が救ってくれたんです。ありがとうございます!」と深々と頭を下げた。 「頭、あげて。澪ちゃん、私を信じてくれてありがとう」と紗海も目に涙を浮かべていた。 「それでは、今回“友情”というテーマで書かれたのはどうしてだったんでしょうか?」 「はい。2人の友人と私を題材にしたお話になっています。あの2人がいなかったら私は夢を諦めていたと思います。それにいじめられていましたので、いじめからも私を救ってくれました。本当に、本当にありがとう。紗海さん、瑠美さん」 インタビューがテレビへと放映されて、それを紗海も瑠美も見ていた。 「実名出したっすね。ま、いいか!頑張ってくださいっす、谷崎澪先生」とコーヒーをごくりと飲み、ニコッとテレビの澪に拳を向けた。 「澪ちゃん、頑張ろうね。それに、専属になってくれてありがとうね。私の夢も叶えてくれてありがとう」と優しく微笑んだ。 「わたしがなりたかった者は“小説家”です!!!」 いまなら堂々と言える。自分の夢が。 全ては最高の友人のおかげである。
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