バケモノ狩り

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バケモノを見たさに沢山の人が広場に集まりました。 バケモノの醜い姿を見て目を背ける者もいれば「こっちを向け!」と石を投げ入れる者、「醜い」と蔑んで笑う者、様々でしたが誰一人としてバケモノの心配する者はいませんでした。 夜になり広場には誰も居なくなりました。 その日の空はいつもより沢山の星が出ていました。星達がバケモノを心配して出てきたのです。 その時「ごめんなさい」と可愛い声が聞こえました。 バケモノが声のする方を見ると、花畑で歌を歌っていた女の子です。 バケモノは慌てて顔を隠しました。 「ごめんなさい。貴方は来ないでと言っていたのに、貴方は何もしていないのに、私の一言で酷い噂に変わってしまった」 そう言って女の子は手で顔を覆い泣きました。 「だ、大丈夫だよ。あ、謝りに、来て、くれたの?こんなぼ、僕の為に、あ、ありがとう」 バケモノは懸命に声をだしました。 女の子はバケモノの言葉を聞くと 「本当にごめんなさい、ごめんなさい」 と泣きながら何度も謝りました。 「いい、んだよ。そ、それより、ざ、罪人と、は、話している、のが、見つかったら、き、君が罪に、問われてし、しまう。は、早くお、お帰り」 女の子は何度も振り向きながらその場を去りました。 バケモノと呼ばれた子は檻の中で静かに涙を流しました。 バケモノと言われた時も、大事に育てた花を奪われた時も、女の子に叫ばれた時も、酷く殴られ蹴られた時も、死刑と言われた時も、晒し者にされた時も涙を流したことはありませんでした。 初めて流した涙は止まりませんでした。腫れ上がった目から溢れ出てきます。涙は冷たい床に落ちた涙は水たまりになりました。 涙の水たまりには夜空で輝く星達の姿が映っています。そして涙の水たまりが金色に光を放ちました。 バケモノは眩しくて目を閉じました。光が小さくなり、ゆっくり目を開けてみると目の前には、あの花の種をくれた綺麗な男の子が立っていました。
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