バケモノ

2/2
前へ
/14ページ
次へ
「僕は『バケモノ』って呼ばれてるんだ。君は怖くないの?僕を見ても気持ち悪くないの?」 綺麗な男の子はその話を聞いて口に手を当てて可笑しそうに笑いました。 「君はバケモノなんかじゃないよ。本当のバケモノはあそこにいるよ」 そう言って男の子が指をさした方には高くそびえ立つ立派なお城が立っていました。 そのお城の王様は若く美しく国民にとても愛されています。 「王様がバケモノっていうのかい?」 「バケモノは人を飲み込んで苦しめるんだよ。君はそんな事できる?」 バケモノは頭を大きく横に振りました。 「僕は苦しめたくないから誰にも見つからない様に生きているんだよ?皆んなが笑顔になるあの星達の様に美しかったら良かったのに」 そう言うと羨ましそうに星空を眺めます。 「きみにいい物をあげる」 綺麗な男の子は小さな袋を渡しました。 中を見ると小さな種が沢山入っています。 「これを育てたら君の望む物が手に入るよ」 そう言うと綺麗な男の子はまた金色の塊になり空へと戻って行ってしまいました。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加