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そのうち、花畑に人が訪れる様になりました。人に見つからない場所を選んだつもりでしたが、誰かが見つけて噂になったのでしょう。 たくさんの人が花を摘んでいきました。 バケモノが一生懸命育てた花でしたが、嬉しそうに花を摘んでいくのを遠くから見ては嬉しく思うのでした。 沢山の人が摘んでいきましたが、その花は決して減る事はありませんでした。そして枯れることもなく花を咲かしながら沢山の種を入れた小さな実を付けるのです。 花はどんどん増えていきました。バケモノの家の近くまで広がって来たので、家を壊し湖の端にある洞穴に住むことにしました。 思い出のある家でしたが、綺麗な花を見に来ている人に自分の醜い姿のせいで嫌な気持ちにさせたくなかたのです。 洞穴はジメジメしていて決して居心地は良くなかったですが、バケモノはとても満足でした。自分が育てた花でみんなの笑顔が見れるのですから。 その頃お城にもこの花の噂は流れていました。
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