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「こんの・・・悪ガキが・・・!!」
レイラと希奈から憐れみも混じる目で見られ続けた歓迎会が終わり、私が歩きだしたら男の子が私の隣に並んできたのでそう叫んだ。
「好きな女の、存在もしない前の旦那とか言われて黙ってられるかよ。」
「それでも黙ってなさいよ、余計面倒なこと言われるでしょうが!!」
「言われても守ってやるよ、俺がいるから大丈夫だろ。」
「あんたが守ったら余計面倒なことになるから・・・。」
大きな溜め息を吐きながら歩き続けていると、腕を引かれた。
振り返ると、男の子が真剣な顔で私を見下ろしている。
そして・・・
「寄っていこうぜ。」
と・・・。
横にあるビジネスホテルを親指で差した・・・。
「バカなこと言わないでよ。
寄るわけないでしょ・・・。」
「じゃあ、家で。」
「そんなことまでしてくれなくていいから。
こんなババアに、そんなことまでしてくれなくてもいいから。」
年下の可愛い彼女がいるこの悪ガキは、私にこんなことまでしようとしてくれる。
「若い女の子とセックスしてるんでしょ。
こんなババアの身体なんて気持ち悪いだろうし、そんなことまでしてくれなくてもいい。」
笑いながらそう言って、また前を向いて歩きだそうとした。
歩きだそうとしたのに・・・
「・・・ちょっと!!!」
私の腕を強引に引き、ビジネスホテルの中へと入っていく。
「本当に・・・嫌だ・・・!!」
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