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ビジネスホテルであろう一室の中、カーテンも閉めていない窓から10月の朝の光が入ってきていて・・・ ズキズキと痛む頭で必死に色々と思い出そうとする。 でも、思い出せるのはそこまでで・・・。 ハッキリ思い出せるのは、そこまでで・・・。 ぼんやりと思い出してしまうのは・・・ 思い出してしまうのは・・・ 必死に抵抗したけれど、ほぼ無理矢理されてしまったということ・・・。 裸のままの自分の姿に愕然としながら、私は掛け布団をまくりシーツを覗いてみる。 処女ではないので血が出ているわけでもなく、ぼんやりとした記憶が本物なのかも分からない・・・。 隣には誰もいなくて、浴室からはシャワーの音が聞こえてくる・・・。 片手で頭を抱えながら、今日が日曜日なことに少しだけホッとする。 少しだけホッとした状態で、昨晩はシャワーも浴びていないであろう身体に急いで下着やパンツドレスを身に付けていく。 そして部屋の鏡を見てみると・・・ 薄化粧がドロッと崩れた化粧がのっている顔面が・・・。 汚いババアの顔面が写り込んでいる。 「この歳で化粧も落とさず寝るとか最悪・・・。」 少しだけ笑ったつもりだったけど、鏡の中の汚いババアは泣きそうな顔をしていた。 その顔から視線を逸らした時・・・ ガチャ──────....と、浴室の扉が開いた。 その音を聞いて、私は気を引き締めてそっちを見る。 そしたら、出てきた・・・。 出てきた・・・。 昨日の披露宴で私の隣の席に座っていた、人事部にいる男の子が・・・。 バスタオルで頭を拭きながら、何も身に付けずに出てきた・・・。
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