二人だけの時間

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二人だけの時間

遠野 夏生(とうの なつお)はどうしても、霧野 七海(きりやななみ)とゆっくりとした時間が欲しかった、始めて夜の海で会って地方公演で少し逢ってそれからは逢えていなかった! 電話とメールは毎日だけど、やっぱり逢いたい! 思い切って事務所の社長に言った「俺ずっと休みなしで頭も身体もヘトヘトです。一日でいい1人ボーッとする時間をください」すると、社長が言った。「わかった!よく働いたからご褒美だ、休みはいつがいい?」 夏生は内心『ヤッター』そう思ったが顔には出さず「じゃ、来週金曜日にください」 やっと休みがもらえた………… すぐに七海に電話をかけた。 「俺も同じように言ってみる」 休みが取れたら、どこ行こう?何しよう?そう考えると嬉しくてたまらなかった! 次の日に七海も同じように社長に言った、そして二人同時に休みが取れた! 七海は思った、今はどこへ行っても2人は人目につく、二人一緒のところを絶対見られるわけにはいかない。 そこで実家から少し田舎へ行ったところにある、祖母の家へ行くことに決めた! そこなら、周りに家もなく庭も広くて車とバイクを隠す小屋もある! すぐに夏生にメールをした! 七海は前日に行って、食料と飲み物を大量に用意すれば木曜から土曜日の朝までは一緒にいられる、そう思うと嬉しくてたまらなかった。 木曜の夜まで2人はひたすら仕事をした。 そして木曜の夜七海が先に到着した。 車を小屋に入れてシートを掛け食料と飲み物を冷蔵庫に入れて風呂の準備をした。 寝室のベットには新しいシーツと枕を用意した! そして先に風呂に入ってつまみの準備を始めた時バイクの音がして夏生が到着した。 七海は外に出ると夏生のバイクを小屋に入れ扉を閉めた! これで完全に見えない! 2人は部屋に入るとすぐに抱き合ってキスをした、部屋に上がり七海は夏生に言った。 「お風呂入ってきて、つまみ作ったからビール飲もう」 「お前は?」 「もう入った」 「なんだよ、一緒に入ればよかったじゃん」 「だって、恥ずかしいじゃんお前はいい身体してるけどさ」 夏生はぶつぶつと文句を言いながら着替えを持って風呂場へ行った。 風呂から出た夏生はTシャツと短パンで頭をワサワサと拭きながら部屋へ来た! ソファーの前のテーブルにはビールとサワードリンクが並んでいる、七海は夏生を見ると柔らかく微笑んだ。 「夏生逢いたかった」 「俺も……」 テーブルをはさんでお互い見つめ合う、ずっと逢いたかった。逢いたくて触れたくて抱き合いたかった。 熱い身体に冷たい飲み物が染み込んでいく、近づいて七海の身体を引き寄せ柔らかな唇にキスをした。
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