2. 3人の聖女

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「聖女が2人?」  王宮の謁見の間で国王陛下は2人の女性を交互に見た。  第1王子クロードが連れているのは、豪華な赤いドレスが良く似合う美しい女性。  茶髪の長い髪は綺麗に巻かれており、大きな胸に引き締まったウエスト。  第2王子ハロルドが連れているのは、ピンクのドレスの少女。  茶色の髪は肩につかない長さでふわふわしている。  細く華奢で守ってあげたくなるタイプだ。 「彼女はキョウカ」 「こちらはメイです。父上」  王子クロードとハロルドはそれぞれ彼女達を紹介する。  国王陛下は頷くと、黒いローブの魔術師団長の方を見た。 「ようこそ聖女様。どうか我が国を守るためにお力を貸してください」  黒いローブを着た魔術師団長がキョウカとメイに頭を下げた。 「守るって何をするの?」 「聖女様のお力で国全体に結界を張って頂きたい」  結界? と赤いドレスのキョウカは首を傾げる。 「やり方がわからないわ」  キョウカが困った顔で見ると、すぐにできるようになるよと第1王子クロードは微笑んだ。 「私も、わからないです」  ピンクのドレスの女子高生メイも不安そうな顔で第2王子ハロルドを見上げる。 「一緒に頑張ろう」  第2王子ハロルドはメイの手を握った。 「これから毎日お二人に魔力操作の方法を教えますが、お二人一緒が良いでしょうか? 別々が良いでしょうか?」  魔術師団長がキョウカとメイに尋ねると、キョウカは別々が良いと答えた。 「聖女キョウカ、聖女メイ。何か困ったことがあれば遠慮なく息子たちに言ってくれ」 「ありがとうございます陛下」  にっこり微笑むキョウカ。 「あ、ありがとうございます」  遠慮がちにお礼を言うメイ。  性格は対照的なようだ。  王子達にエスコートされ謁見の間を去る聖女たちを見送ると、国王陛下は再び魔術師団長を見た。 「2人とも聖女なのか?」  国王陛下の問いに魔術師団長は悩んだ。 「前例がないのでわかりません」  まずは魔力操作から教え、適性を見たいという魔術師団長の言葉に国王陛下は頷いた。
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