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第11話隣の王子様
「あのね・・・私、好きな人がいるの。それでね、この国って元は、少し大きい村だったの。でね、戦争して、その好きな人の国を奪ったの。で、その人が、生きているかを調べてほしいの!」と必死に言う心愛様。
「・・・」
「あ、重要な事、言ってなかったわね。彼と私は、両思いで恋人なの。あ、彼の名前は、フィレよ。」
「フィレ・・・?あーそう言えば、1時間前に会いました」と私が言うと、心愛様がこちらに顔を近づけている。
「ホント?!その時のこと、ぜーんぶ話してね!」
「・・・分かりました。その時、私は、心愛様のお城を探してたんです。」
「え、ちょっと待って。私のお城なんて一番、デカイんだから、分かるでしょ?」
「・・・その時、私は、心愛様のお城を探してたんです。それで、すごい泣き声が聞こえてきて、無視できなくて、どうしたのかと聞いたんです。」
1時間前_
「そんなに泣いてどうしたんですか?」
「あぁ、うぅ」
「分かりましたではさよなら」と言って、その場を去ろうとしたが、王子が私の服を掴んで離さなかった。
「すまない。ずびずずー、鼻水がすごくてね。ボクの名前は、フィレって言うんだ。この国の元王子だよ。僕の悩みを聞いてくれないかい?」
「いいですよ。暇でしたし。」
「あぁ、ありがとう…。ボクには、両想いの女の子が居てね。その子は、聖女様なんだ。その子に会いたいんだけど、ボクみたいなのが会ってもいいのか分からないんだ。そこで、君。聖女様に会ってくれないかい?」
「えぇー」
「おーい!そこの方!もしかして、バイトの方??」と、オレンジの髪で黄緑の目の女の子が寄ってくる。
今_
「という感じです。」
「え?!リンカ、タイミング悪すぎ!」
「それで、強制的にここに連れて来られました。」
「う~ん。どうしましょうか?というか、どうすればいい??」
「・・・演技すれば、いいと思います。」
「ほぅ?どんな感じかしら?」
「耳を貸してください。・・・ごにょごにょ」
「・・・ふんふん。それいいわね!採用!!」
というわけで、私達は、演技することになったのだった。
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