28. launch.py

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 俺は固まった……。  なんで主任が俺の本来の目的を知ってるんだって、俺はスグに狂矢を睨んだ。が、全力で教えてないぞと首を小刻みに横へ振ってアピールしてきた。疑おうと思ったが、余りにも真剣な目だったのでどうやら嘘では無さそうだ。  じゃあ主任はどうやってそれを知ったんだ?   もしかしてただの予想で、実際に聞いたら全然違ったと言うパターンってのも考えられる。  俺はとにかく唾を呑み込むと、覚悟を決めた。それにしてもこういう時って本当に喉を通過する時にゴクリって音がするとは思ってもみなかった。 「静粛に、今から言う事はあくまで私の予想の範囲で終わるかもしれん。だが、合っている自信はある。  もう殆どの奴が知っていると思うが、白川くんには妹が居た。肉体的には亡くなって居るが、記憶のデータが無事に移行され、バーチャル空間で彼女は生き続けている。だから、居たはおかしいかもしれないが……  それはまあいいとして、バーチャル空間では触れ合う事が出来ないと言う最大の難点が有る。そこで恐らく彼はこう考えたんだ。また妹と現実で会いたいと・・・・・・  そこで産まれたアイディアが皆も知っているIOPで、Immortal Object Plusなんだが、だがそれは仮の名で、本当は多分これなんじゃ無いかと私は睨んでいる」  そう言うと、主任は徐にマーカーを取り、ホワイトボードに俺の隠していた本来のプロジェクト名を見事に書き込んだ。
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