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妹+
「妹プラスだ!? きっと白川くんは大切な彼女に何かプラスになれる事、今回の場合妹さんは記憶としての存在は有るが、この三次元世界に於いて自由に動けるボディと言うものが無い。
無いものつまり身体をプラスしたいと言う家族愛から生まれた素晴らしい動機のプロジェクトがこの妹プラスだ」
主任の洞察力には全くと言って恐れいった。ほぼ正解だ。でも本当は家族愛では無く、妹にマジラブなのが正解だ。俺は冬美をこの手でギュッと強く抱き締めたい。そして感動の再会で見詰め合い、禁断の恋へと発展し、熱い熱いキスを冬美と……。
フフフ。
「おい、白川!?」
「はっ、はい!!!?」
「びっくりしたな!? 別にそんなに大きな声で返事しなくても構わんぞ。それより、明日のお披露目会は準備万端何だろうな?」
「いえ、はい、いえ、あっ、はい」
「おいおいおい、いえはいって一体どっちなんだ。いいか、このプロジェクトの発案者はお前なんだぞ。そしてこの発表は日本だけじゃなく、全世界が注目している。これが成功したら、間違い無くまた我が国は本当の意味での先進国へと返り咲くんだ、それくらい重要なものなのだぞ、分かってるのか!?」
「あのーー主任!?」
「なんだ、小早川?」
「ぷッ、日本は今も先進国です、はい」
「馬鹿者ーー!? 私は本当のと付けた筈だ。日本と言うガラパゴス文化しか見てない若輩者が私に口出ししようとはいい度胸だ。いいか、世界はとっくに日本は後進国と見始めている。
実際に私は何度も世界の場でその言葉を耳にして来た。
経済指標で見れば確かに先進国に見えるかもしれん。
だが、実際はどうだ?
平均サラリーマンの給与が上がって居ない先進国は日本だけだぞ。物価も年単位じゃ無く、四半期毎に上がっている。
この間母からこんな事を聞いた。スーパーでメゴミルクを買って驚いたとな。二週間前は238円だったはずが、今週は268円に跳ね上がってたそうだ。
何処がどう見たら先進国だというんだ!?
給料が反比例のように上がっていないのは我が国だけだ。
技術の面でもそうだ、良いかこの世界はなっ、半導体と金をコントロール出来る国が成功を収めるんだ。
隣の国を見てみろ、見事それが出来ている。それでもまだお前は貴様は日本を先進国と堂々と言いきれるのかーー」
「いえ、すいません」
「分かったならいい、私も言い過ぎた。解散!?」
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