ノネズミぼうや

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 ノネズミぼうやのさしだしたりんごあめはバキバキにひびわれていました。 「まあるくなれ、まあるくなれ……」  とってもていねいにあらったので、りんごあめはもとどおりつるつるまんまるになりました。 「よかった! ありがとう!」 ノネズミぼうやはとびはねてよろこびました。  その時、もりの中からガヤガヤとどうぶつたちのこえがきこえてきました。 「だいじなお月さまをかじった、きょうぼうなローリー・ラクーンはどこだ!」  ローリーがブルブルとふるえていると、もりをぬけてそらをみあげたうさぎがさけびました。 「あれ? お月さま、まあるいじゃない!」 「なんだ、かじられてなんかいないじゃないか!」 「あれれ、おかしいな。さっきはたしかにかけていたのに……」  ヤマネのおじさんがくびをかしげています。 「ローリー、うたがってごめんね」  ウサギたちが言いました。 「いいんだよ」  ローリーはホッとしたように応えました。
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