17人が本棚に入れています
本棚に追加
ウラ「こんな渦、貫いてやるわ! 武器鳥・鳳凰!」
ウラはフィッシュボンの渦の中心に向けて、武器の集合体から成る鳳凰を放つ。その刹那、鳳凰は水流に飲み込まれる。
フィッシュボン「はははは! 自ら水の中に突っ込むとは阿呆だのう! 鳥がいなくなったわい!」
ウラ「馬鹿にするんじゃあないわよっ!」
フィッシュボンは完全に油断していた。ウラの声と共に、渦の中心を貫くように鳳凰が現れた。そして、不意を突かれたフィッシュボンは鳳凰の突撃を真正面から食らう。
フィッシュボン「何――っ?!」
美里「式神打擲」
追い打ちをかけるように、美里も加勢し、フィッシュボンを叩く。一方、リングは目の前のウオノメと交戦していた。
リング「ファイト、リング!」
リングの攻撃を避ける一方のウオノメは不気味に笑っていた。
ウオノメ「お主。もうあまり力が残っていないのであろう。先程から下級魔法しか使っておらぬのう」
図星だった。リングは水中でウオノメと戦っている時から力を消耗し、最終的には溺れてしまったこともあり、体力・魔力共に消耗が激しかった。加えて、起きないサジノスケを庇っての戦闘は圧倒的に不利な状況である。
リング「べっ別に? ま、まだ本気出していないだけだしぃ? わ、わたしはね本当は超超超強いのよ~~? くっ……国の推薦候補者なんだから。ア、アンタなんか一瞬で倒せるんだからね~」
リングは苦し紛れの大嘘をつき、ウオノメをビビらせる作戦に出た。しかしウオノメは……。
ウオノメ「ほほう! お主、強いのか! ますます気に入った! 絶対に嫁にしたい!!」
リング「何でそうなるのよっ!! どう見てもわたしなんか弱そうじゃないっ!! あ……」
何故かますますウオノメに気に入られたリングは、ついうっかりと正直に嘘を訂正してしまうのだった。
リング「とにかく! わたしは好きな人がいて、その人のお嫁さんになるんだから、アンタなんかお断りよっ!!」
きっぱりとウオノメの結婚の申し出を断り、リングは天に手をかざす。
最初のコメントを投稿しよう!