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リング「あっあれ何?!」
ウオノメはリングが手をかざした方向を見る。
リング「リング!」
リングは光り輝く輪を天に向けて放つ。輪は日光の反射を受けてより光り輝く。ウオノメは天を仰いだ所為で強烈な光を見てしまう。
ウオノメ「ギャ――ッ! 目が……目が痛いぞよ! 水中戦と同じ手を食らってしまったぁ! おのれ……小娘。わしの結婚の申し出を断った挙句、目眩ましまで……」
ウオノメが鰭で両目を覆い、悶えつつも、殺気立つ。リングは一歩下がり、彼から距離を置く。
ウオノメ「ますます気に入ったぞよ! 小娘、是非嫁にしたいっ!」
リング「だから何でそうなるのよっ!!」
ウラ「投槍!」
狼狽えているウオノメを仕留めようと、ウラが槍を投擲する。それをフィッシュボンが防ごうと大声を出す。
フィッシュボン「兄者――っ! 左に飛びつつ、こちらに来て下され!!」
ウオノメは左方向に飛ぶ。ウラの放った槍は残念ながら躱されてしまい、当たらなかった。ウオノメは再び水上を走る。フィッシュボンもまた、ウオノメに近づくように湖を移動する。シイはそんな魚兄弟の様子を見て、嫌な予感がした。
シイ「アイツらを近づけるな!」
美里「えっ!」
シイが叫んだときはもう時既に遅し。魚兄弟は手を繋ぎ、湖の上に立ちはだかっていた。湖面が急に静かになり、波紋すらない。周囲の風も止み、音のない世界が広がる。
この静寂が意味するものが何か、リング達が気がついた時にはもう、魚兄弟から呪文が唱えられていた。
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