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木の隙間からみえる光が神秘的に見えるんだよね。」 僕は無言でうなずく。 「ねえ、聞いてる?てか、もしかして今日は見えてないの?」 電話越しに聞こえる少し不満げな声。 「ごめんごめん。勿論見えてるよ。」 ビルの谷間に差し込む僅かな月明かり。 視線を上げれば煌々と輝く月。 都会の僕と森に住む彼女。 僕らはお互い月が綺麗に見える日だけ電話で会話すると決めている。 何故なら月は唯一の共有できる視界だから。 「明日も晴れるといいね。おやすみなさい。」 「うん。おやすみ。」 僕は月を眺めながら答えた。 【完】
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