25:脅威

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25:脅威

 続いて俺たちは、隣にある図書室で人形探しをすることにした。  図書室とはいっても、探しきれないほどに広いわけではない。面積だけでいえば、他の教室の二倍くらいは使われているようだが。  本などはすべて撤去されているらしく、空っぽの本棚はがらんとしている。  本棚はざっと見ればわかりそうなので、隠し物があるとすれば机や椅子の下、あるいは何かの隙間くらいだろうか。 「死角は結構あるんだけど、こっち側には無さそうだな……カルアちゃん、そっちの方はどう?」 「こっちも無さそうです。あ、そこの隙間……う~ん、ここもありませんでした」 「そっか、となると三階にも無いってことになるのか……?」  じっくりと探しているような時間はないが、急いでいるなりに丁寧に調べているとは思う。  それでも見つからないとなると、三階にあるのはねりちゃんの人形だけだったということになる。 「屋外に隠すのは禁止だし、目ぼしい場所は大体探したし……やっぱりこうも見つからないってことは、先に財王さんたちに見つけられて持ち歩かれてるんじゃ……」 「そういえば、ユージさん。体育館って探しました?」
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