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『夢の城』
『夢の城』
あまりにも深い海の底
そこには誰も触れられない
そうであれば
良かっただけ
あまりに暗い海の底
そこでは誰も何も見えない
光を作る
場所であるのに
哀しみを
憎しみを
憤りを
虚しさを
だけど
たくさんの
家族の笑顔を
押し込めた
夢の城だったね
さよなら
幼い私が
暮らした
罪のお城
優しい
日々だった
嘘にまみれた
真実の匂いを
誰かは
覚えていて
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