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出会い
「井上先生、さようなら」
「さようなら」
僕は、井上律希。
小学校の教員をしている。
教育系の大学に行って、そこで教員免許を取得。
流れで教員採用試験を受けることになって、それがまた運良く受かって、今の小学校へ配属された。
小学校の教員になることが長年の夢だったという同僚もいるが、僕の場合はそうではない。
与えられた役割や業務を淡々とこなす、そんな毎日を過ごしていた。
今年で5年目。仕事にもだいぶ慣れてきた。
もちろん大変なことや理不尽だと感じる事柄もあるが、大変な中にも自分なりの楽しみを見出し、穏やかな日々を過ごしていた。
生涯をかけてやりたい仕事かと聞かれるとそうでもないが、他にやりたいと思う仕事も特にはない。
夢を掲げて教員を目指している人には申し訳ないが、そのような想いで教員生活を送っていた。
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