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秘密の時間
それから時折、放課後に彼女の教室を訪れた。
彼女は独特な視点から、児童や教育のことを見ていて、気付かされることも多々あった。
そんなある日
病気休暇に入られた先生が、児童の特性や発達段階を見極める目が彼女にはあると言っていたことを思い出し、そのことについて尋ねてみた。
「青木先生は、障がいを持った児童をどのように見極めていますか?実は、前野先生から青木先生は一瞬でできるよと聞いたことがありまして…」
「そんなことおっしゃっていたんですね!あれは偶然ですよ」
「え。そうなんですか?」
「強いて言うなら、その子自身を見ることが大切です」
「それがなかなか難しいんですよね」
すると、微笑みながら、彼女は続けた。
「井上先生は、虹を見たことがありますか?」
「虹?もちろんありますよ」
「七色の中で、どの色が好きですか?」
「んー、青色ですね」
「何となく、そんな感じがしました。笑」
「そうですか。笑」
「青色と赤色を混ぜると、どうなるかわかりますか?」
「えーっと、紫色になりますね」
「それは、青色が好きな井上先生からすると不本意ですよね」
「確かにそうですね」
「子どもたちも一緒です。青色の特色が出ている子には、青色の環境を用意する。黄色が色濃く出ている子には、黄色の環境を用意する。それが大切なことです」
言っていることはわかるような、わからないような…
独特の理論を彼女は展開していた。
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