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貸して借りて
ここに来る前に立ち寄ったコンビニで購入したミックスサンドを頬張りながら、富士山を愛でていると
男「あの、すみません」
さっきの人だ
「どうしたんですか?」
食べかけのサンドイッチを一度置いて、外に出た
男「あ、ご飯食べてた?ごめん、、」
「いえ、大丈夫です、何かあったんですか?」
男「どうやら充電器のコードが断線したみたいで、バッテリーが切れてしまったので、充電完了するまでコードを貸してもらえないかと」
「あ〜いいですよ、ちょっと待ってくださいね」
車に置いていた充電器のコードを抜いて、彼に手渡した
男「ありがとうございます、、って名前言ってませんでしたね」
「あ、そういえば」
大輔「佐藤 大輔といいます」
「鈴木 萌です」
大輔「助かります」
「ううん、私のはまだまだ残量あるので、どうぞ」
大輔「ありがとうございます、萌さん」
「えっ」
大輔「あれ、鈴木さんって呼んだ方が良かったですか?」
「いえ、下の名前で呼ばれたの、久しぶりだったので」
大輔「俺は、大輔で大丈夫ですよ」
「あ、はい、大輔さんですね」
大輔「あ、充電してきます」
「うん」
なかなか1人にはなれないものだ
でも、自分のことを知らない人とこうして言葉を交わすのは
一人でいるよりも心地よく思えた
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