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非日常と日常
「星、綺麗ですね」
大輔「空が広くて良く見えますよね」
大輔さんが用意してくれた背もたれ付きの椅子に腰掛け、焚き火にあたりながら、空を見上げる
「なんかとっても贅沢してる気分」
大輔「はは、そうですね」
「よく来るの?」
大輔「そうですね、キャンプ好きなんで」
「いいなぁ日常から離れられる手段があるのって」
大輔「萌さんも、これからいくらでもできるじゃないですか」
「結局、大輔さんに色々と助けて貰っちゃってますけどね」
大輔「俺は楽しいですよ、1人より2人の方が」
「そうですね、、あ、これ美味しい!」
大輔「ホットチョコレート?」
「うん、私珈琲しか持ってきてなかったから、甘いものあるとほっとします」
大輔「マシュマロ、ありますけど」
「マシュマロ?」
大輔「うん、甘い物苦手じゃなければ」
「普段、マシュマロは食べないけど、なんか食べてみたいです」
大輔「うん、ホットチョコレートにそのまま入れても美味しいんだけど」
「うん」
大輔「ちょっとこの串に刺して、火で軽く炙って少し焦げ目をつけてやると」
「わぁ!いい匂いがする」
大輔「食べてみて、はいどうぞ」
「え、あ、いただきます」
少し香ばしく焼けたマシュマロを口に含む
「ん!」
それは口の中で解けていった
「え?なにこれ、美味しい」
大輔「なかなかでしょ」
「はい、自分でやってみても?」
大輔「どうぞ、串とマシュマロここにありますから」
大輔さんの真似をしてやってみる
「あ!焦げちゃった」
大輔「はは、ホントだ」
「うわ、苦甘い」
大輔「無理して食べなくても」
ホットチョコレートで流し込むと大輔さんがオカワリを入れてくれた
「あんまり優しくしないでください」
大輔「普通ですよ」
「あれ、、なんか泣けてきちゃった」
大輔「泣いてすっきりするなら、泣いてください」
そう言われた途端、ダムが決壊したかのように、涙が次から次へと溢れて、気づけば声を上げて思い切り泣いていた
大輔さんは黙ってそばにいてくれた
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