第一章 お見合いからの

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 「おはようございます」  スーパーマーケットの奥にある事務所に入ると、数人の同僚に迎えられた。  「高岡(たかおか)さん、おはよう。  昨日の伝票入力、少し早くしてもらえないかな」  (かす)かに申し訳なさそうな経理部長に、紗知(さち)は笑顔で頷いた。  今日は午後から会議がある。その資料として必要なのだろう。  「分かりました。昨日までの分を一覧表にしますね」  確認に、部長は感心したように返してきた。  「さすが高岡さんだね。俺の頼みをすぐに分かってくれるんだから」  部長の和史(かずふみ)が会心の笑みを見せて、他の経理部の社員が笑っている。  「部長と高岡さんは、ほんと息ぴったりですね。このコンビがいるから、私たち相当助かってます」  同じ経理の女性社員の言葉に、みんなも頷いた。
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