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(これって……! 生ちん……!)
もうどこに気を遣って、どこに反応したらいいのか分からない。
混乱しきっている時、マティアスの指先が胸の先端をかすめ、変な声が漏れた。
「んぁっ……、……!?」
自分の口からそんな声が出ると思わず、麻衣はバッと両手で口を塞ぐ。
「気持ちいいか?」
だがマティアスは気を良くし、まだ柔らかい麻衣の乳首を優しく弄ってくる。
「んっ、んー……、ぁ、……っちょ……」
麻衣はギュッとマティアスの腕を抱くようにして、俯いて体を強張らせる。
「リラックスしてくれ。怖い事はしない」
マティアスは俯いて剥き出しになった、麻衣のうなじに唇をつけてきた。
「っひぅ……」
チロリとうなじを舐められて、彼女は大きく体を震わせる。
「ま、待って……! 待って! ごめんっ、へ、変でごめん……っ」
男性に素肌を見せ愛撫される事が、こんなに混乱するものだと思っていなかった。
「何が〝変〟だ? 可愛いじゃないか」
「っ…………!」
「可愛い」など言われた事がなく、恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだ。
「マイ、柔らかくて気持ちいい。……キスさせてくれ」
そう言ってマティアスは、浮力を利用して麻衣の体を横向きにした。
「あ……っ」
真っ赤になっている顔を見られたくなく、麻衣は慌てて慌ててそっぽを向こうとした。
だが顎を掴まれ、彼のほうを向かされてしまう。
「好きだ、マイ。可愛い」
熱っぽく囁かれたかと思うと、目を伏せたマティアスの顔が迫り、唇が塞がれた。
「んっ……、ん、む……」
呼吸をどうしたらいいのか分からず、とりあえず止める。
マティアスの舌先は麻衣の唇のあわいをくすぐり、開くように促していた。
こわごわと唇を細く開くと、そこにヌルリと彼の舌が入り込む。
唇の内側を舐められ、前歯の一つ一つまで確認するかのようになぞられ、腰の辺りがゾクゾクした。
「んっ、んふっ、――ン、……んぅっ……」
キスをされて「気持ちいい」と感じるのが怖く、麻衣は本能的に逃げようとする。
だがしっかりと抱かれて逃げようがない。
ヌルッと舌と舌が擦れ合い、また体の奥が震える。
口内を舌で探られるたびに、麻衣を今まで感じた事のない感覚が襲った。
――けれど。
(苦しい……っ!)
呼吸を止めていたため、もう限界だった。
「んー!」
ぺちぺちとマティアスの肩を叩くと、ようやく彼が顔を離してくれた。
「嫌だったか?」
「……や、そ、そうじゃなくて……。苦しい……」
「息を止めていたのか? それは苦しいな」
「するものなの?」
「息をしないと長くキスができない」
「してた?」
「ああ」
(……気付かなかった……)
言われて、「ネットの記事で『鼻息の荒いキスが最悪』ってあったな」と思いだす。
だがマティアスとキスをしていて鼻息をまったく感じなかったので、とてもうまいのだろう。
(キス……難易度高っ……!)
溜め息をつくと、マティアスが麻衣の額や頬にキスをしてきた。
手はさりげなく体のラインをなぞり、腰の辺りを撫で、臀部の肉をキュッと掴んでくる。
「少し、下を触ってみてもいいか?」
「う……。……ちょ、ちょっと……だけなら……」
マティアスは麻衣の脚を広げ、内腿をツゥッと撫でてくる。
「ん……っ」
「もう一度キスの練習をしよう」
そう言ってマティアスは麻衣の唇をついばみ、同時に指先で花弁をなぞりあげた。
「っん~~~~っ!!」
(なにこれ!)
勿論、自分で秘所を触った事はある。
だが自分で触ったよりずっと鋭敏に体が反応し、お腹の奥が疼いて堪らない。
「少し濡れてきてるな。良かった。ゆっくり解していく」
マティアスは唇を少し話して呟き、またキスをしてきた。
「んむ……っ、ん……」
また唇をついばまれ、舐められる。
その間、マティアスの指は、麻衣の花弁の形を確認するように動いた。
「んっ、ん……っ」
緊張して力むあまり、麻衣はマティアスの舌を強く吸い上げてしまう。
麻衣はヌルヌルと舌が擦れ合う感覚に身を震わせる。
すると彼女の蜜口に、マティアスの指先が浅く侵入した。
「んーっ!」
(恥ずかしい!)
麻衣はビクッと体を震わせ、思い切り体を強張らせる。
マティアスは彼女の反応を見ながら、指で蜜口を優しく撫でた。
彼は指を浅く入れては抜き、蜜口を揉んではまた指を入れて……と繰り返す。
「ん……っ、ん!」
そのうちマティアスの指が、つぬぅ……とゆっくり進入してきた。
(待って! 待って! 入ってくる……っ!)
膣内に何かが入る事に慣れていない麻衣は、マティアスの指の長さと太さにおののく。
(嘘っ……。男の人の指ってこんなに太くて長いの!?)
指の腹でお腹の内側を撫でられただけで、ゾクゾクッと震えが走って切ない声が漏れる。
「ふぅ……っ、ン……」
麻衣は知らずと彼を抱き締め、無意識に膣肉でその指を締め付けた。
ちゅ、ちゅぷ、とリップ音が続き、膣内ではマティアスの指が優しく前後する。
「ふ……っ、はぁ、――は、……ぁ」
麻衣はキスの合間に切ない吐息をつき、羞恥のあまり、睨むような目でマティアスを見つめた。
「痛いか?」
「変……っ、な、――感じ」
変な顔を見せたくないのに、赤面して泣きそうな表情になってしまい、実に情けない。
「多分、気持ちいいんだと思うから、目を閉じてリラックスして受け入れてみてくれ」
「で、でも……っ」
「しぃ」
マティアスは何か言いかけた麻衣の目元を片手で覆い、彼女に静かにするよう促す。
そしてさらに蜜壷を探ってきた。
柔らかな粘膜が優しく擦られ、そのたびに今まで得た事のない愉悦が襲ってきた。
「ぅ……っ、あ、あぁ……っ、ん、んーっ」
(やだっ、変な声出る……っ)
両手でとっさに自分の口を塞ごうとすると、マティアスが制してきた。
「マイ。口を押さえたら駄目だ」
「っ……、だ、だって……。変な声出て、恥ずかしい……っ」
羞恥の極みにいるが、マティアスによって目元を押さえられているので、視線が合わないのが救いだ。
「俺に可愛い声を聞かせてくれ。マイが感じてるって教えてほしいんだ」
「でもでもだって」を続けそうになったが、次の言葉を聞いて考えが変わった。
「こうやって、好きな女性を愛撫するのは初めてだ。ちゃんと上手にできているか、教えてほしいんだ」
(そ……っ、……か)
心の中で麻衣は深く納得する。
けれどすぐ素直になるのは恥ずかしく、言葉で彼の気持ちを確認しようとした。
「……慣れてるんじゃないの? ふ、風俗……行ったって」
十年も前だと言っていたのでスルーしたが、一応気にしている。
今は自分だけを好きと言ってくれているし、その気持ちも疑わない。
けれどセックスの経験については、過去にプロの白人美女を抱いたと聞いて「私が初めてじゃないんだ」という面倒くさい思考になっている。
勿論、理屈では慣れていて上手いほうが、女性への負担が少なくて済むのは分かっている。
分かっていても、彼に巧みに愛撫されると、彼の経験についてグチグチ言いたくなる。
「十年も前だと言っただろう。もうほとんど忘れてる。……もしかして、妬いてくれてるのか?」
相変わらず目元を手で覆われて何も見えないが、マティアスが嬉しそうに笑ったのが分かった。
「っば、ばかっ」
思わずペチンッとマティアスの胸板を叩くと、彼はクスクス笑う。
「マイを悲しませたり嫉妬させたくないから、嘘は言わない。今は本当に完全なシングルだ。……だが嫉妬されると嬉しいな。すまない」
「……もぉ……」
唇を尖らせた麻衣の額に、マティアスが口づけてくる。
そして止まっていた彼の指が、また蠢き始めた。
「ん……っ、ぁ、は……っ」
狭い膣肉の中でマティアスの指が前後し、柔らかな壁を指の腹でグッ……と押してくる。
マティアスの指が体内で動いていると思うだけで、この上ない悦楽が全身に伝わっていく。
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