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3話 初めての小説執筆
父は夕食の時間の18時30分くらいまで小説を執筆していた。僕は、「いいもの書けた?」 訊くと、「まずまずだな」「何文字?」 父は忘れたのか、険しい顔つきになった。「確か、3000文字くらいかな」 おー! と思い、「凄いね!」 と言った。僕は夕食をとったあと、「父さん、僕もパソコン使うよ」 言うと父は、「ああ、使え」 そう言われたので、書斎に行き、パソコンを起動させた。この前、父が買ったばかりのパソコン。僕は思った。作品は父に見られたくないからUSBメモリーを買おう。
とりあえず、両親に言ったあと電器屋に車で向かった。文章を保存するだけだから、そんなに大きな容量は必要ないだろう。 今は冬なので雪がチラチラ降っている。ちなみにここは北海道。道路はアイスバーンになっている。気を付けないと事故ったら最悪だ。 USBメモリーは4ギガの容量のものを買った。価格はさほど高くはなかった。
帰宅途中、コンビニに寄って温かい缶コーヒーと甘酒を買った。外は極寒。スマホの天気予報のアプリを開くと、現在の気温は-4℃と表示されていた。通りで寒いわけだ。
帰宅して再度、書斎に入ったけど寒い。なので、ファンヒーターをたいた。起動させっ放しで買い物に行ったら父に怒られた。「大治! パソコンつけたまま行くな! せめてスリープにしていけ!」 そんなに怒らなくてもいいと思うけれど。短時間だし。でも、「わかったよ」 反論はしなかった、パソコン使わせてもらうわけだし。 設定は何にしようか? Wordを開いて入力していった。 思いつくまま、つらつらと打ち込んでいった。初めて書くからサイトにある「現代ドラマ」を選択した。テーマは日常。
僕は19時くらいから書き始めたから、約2時間書いた。時刻は21時過ぎ。1500文字くらいは書いたかな。内容はどうであれ、とりあえず書いた。
ネットで勉強のために、「小説の書き方入門」というところを読んだ。ふむふむ、なるほど、と思いながらある程度は読んだ。それを、ブックマークに入れた。
僕はまだ若い。小説家を目指すのも悪くない。2時間書いてみて、楽しかったし。
USBメモリーに保存し、それを抜き、電源を切った。僕は父がいるリビングに行って話してみた。「僕、小説家を目指そうかな。楽しいことが仕事にできれば最高だよね」 父は笑った。「なあ、哲太。世の中そんなに甘くないぞ。夢を追うのは悪くないが、第1に仕事だぞ。第2に小説を書くことだ」 確かにそうかもしれない。 がんばろうっと!
つづく……
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