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ある男性、青年に出会う。ふたりとも路上生活者だ。男性はこの生活が長いが、青年は慣れていないように見えた。急に落ちぶれた原因は知らない。青年の名前すら知らないのだ。出会った縁で公園で眠る。すると、青年の様子がおかしい。顔色が悪くなって倒れた。病院へ運ばれる。病院で青年は自分が死ぬことを悟った。最期だからと親へ手紙を書く。だが、宛名を書く前に力尽きてしまった。その病院へ男性がやってくる。宛名のない手紙の存在を知って自分が渡そうと受けとった。手紙に書かれている名前を見て、はじめて青年の名前を知る。男性は酒場へ行く。そこでタバコを吸おうとしてライターがないのに気がついた。しかたがないので、ポケットに入っていた手紙を燃やす。その炎でタバコに火をつけた。青年の手紙が届くことはなかった。
親への手紙が届くことはなかった話でした。なんとも悲しい終わりかたですね。
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