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 ある女性、とある男性にひとめぼれする。男性も女性のことを気にいった。男性には妻がいたが、ふたりはひそかに会うのをつづけた。それが破綻したのは男性の妻にばれたからだ。男性は妻と離婚して故郷の国へ帰っていった。女性は男性と結婚した。だが、男性は別れた妻のことをまだ愛しているらしい。女性にはどうしようもないことだった。そんななか、別れた妻が亡くなったとの知らせが届く。男性は目に見えて動揺した。ところで、この男性は亡き妻と暮らしていた屋敷の電話を解約し忘れていたのだが、女性に隠れて電話をするようになった。どうも妻と暮らしていた屋敷に電話をかけているらしい。女性はこの男性の行動に我慢できなくなった。男性が家を空けたすきに屋敷へ電話をかけ、頼むからいなくなってくれと訴えた。その日の夜、男性の取り乱す声で女性は目覚めた。妻がいなくなったと男性がいっている。いますぐ妻を探しに行かなければ。女性は電話したことをいわなかった。男性とともに屋敷へついていく。ふたりが屋敷へ着いたところへちょうど業者が来ていた。女性が意を決して口にする。電話を解約しなくていいの。男性はそれを聞いて、電話を切ることを決めた。  別れた亡き妻と電話で話していた男性の話でした。実際に妻の幽霊と話していたのか、それとも男性の妄想だったのか気になるところですね。
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