砂漠へ

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砂漠へ

「ほらっ雲もないのに天頂環アークができてるよ。」 keiはこんな気象現象が大好きなんでっす(^o^)/ 「砂漠にも天頂環アークができるんですか?」 さめは不思議そう。あれって水蒸気だから、水のない砂漠に不思議だよね。 「私は初めて見ました。変わった形の虹ですね。」 今は道路から外れて本当の砂漠を走ってます。 朝日に向かって門を出てから1時間くらい、東に向かって走ってるってことになりますよ。 内陸に行くなら南に走らないといけないじゃないのかなぁ。とkeiは思うのです。 「ねぇねぇ日の出の方向に向かって走ってるって事は、東に向かってませんか?」 「 keiさん楽しみにしててくださいね。もうすぐスペクタクルな冒険が始まりますから…。」イリーったら、意味深! 一大事だと言うのに、イリーなんだか楽しそうです。 「 keiさん、大丈夫かなぁ。」 さめは心配そうにkeiのことを見ています。 どんな作戦をたてたの? 寝ぼけていたので、聞かされてません! 一体何が始まるんだろう? 大きなイカが砂漠で大暴れ、ファンタジー映画にありそうです大サソリとか(^^)v 「アルク街までの最短距離まで、もう少しです。」 ジェイクさんはパソコンのなかの地図を見つめています。 「そうだ今のうちに朝ごはんを済ませておきましょう。」 そういうとイリーは後の荷台から、ピクニックのバックを取り出しました。 あっホットサンドo(^^o) イリーは1箱ずつ配ってるんだけど、結構な量です。 半分に切られたホットサンドが5個入ってます。 8切り食パン5枚分です フードコンテナに入ったコーンポタージュももらいました。 「さめくんは私のを一緒に食べましょう。」 「わーおいしい。このチーズすごい香りがして濃厚ですねぇ。」 最初に食べたのはいっぱいレタスにハムにチーズ、 keiがよく作るやつです。 チーズがスゴク香りも味も濃いの。 ハムもちょうど良い塩加減で、ふくよかな味わいです。 次のは薄くスライスした照り焼きチキンみたいなの入ってる。 「イリーのお家がピクニックに出かけるときは、いつもこんなおいしいお弁当持っていくんだね。」 「ピクニックに出かける時ぐらいは私が作りますよ。」 教わりながら作るんだろうな。と想像した。 「シェフは私たちの食事はもちろん、来賓の方々の献立作りなど、調理計画に忙しいみたいです。様々な国から色々な人が来るので、献立も多種多様なんですよ。」 あっそういえば、これkei用に和風照り焼きチキンなんだ(¨O¨;) 「この後、宿に着くまではゆっくり食べられる場所はありません。今のうちにたくさん食べておいてくださいね。」 まぁ…。 このあとゆっくり食べられる場所がないのですかぁ(-。-; 砂漠を走る四輪駆動車の中も、ゆっくりな場所ではないと思うのですが! でも、車中ご飯は道の駅の旅ドライブみたいで楽しいです。 「そうだっ!ご飯を食べ終わったらkeiが運転してみたい。」 ええっ! 運転しているエルウッドさんが困った顔してますよ。 「じゃあ、いいです(フン!)」 ナビしていたジェイクさんが振り向き説明してくれました。 「彼に任せてください。ただまっすぐ走っているようで、砂漠にはたくさんの障害物が隠れているんです。」 確かにサファリラリーの映像で見た事ある。 車が砂でできた砂丘の尾根を飛び抜けて、バンパーから落っこちた。その車は砂に突き刺さってました。 砂の中に埋まった岩にぶつかってる車もあったよ。 当然、砂でスタックしてたり… やっぱり、keiは無理かなー(^_^;) 残念! 「あまり、ゆっくりと食べていられませんよ。もうすぐ目的地に着きます。」 ジェイクさんは目的地と言っているけど、なんにもみえないのです? 「あの砂の尾根沿いに車を走らせますから、西側から見えない裏側降ります。」 降りましょう? こんなところで? 砂漠の真ん中です… 「ほら、keiさんどんどん食べて!さめが食べてあげましょうか。」 「じゃぁ、1つはさめにあげる。」 急いで食べると逆流性食道炎でお腹がぐるびくなりそうだよ。 「イリアさん、私の荷物を取ってもらえますか。私が最初に飛び降ります。」 飛び降りる? イリーはジェイクさんの大きなリュックサックを渡してあげてました。 あまりに重いのでkeiも手伝った。 「じゃあ、これがkeiさんの荷物!」 イリーがkeiの荷物も取ってくれた。 「ちょっと待って。スープを全部飲み終わってない。」 イリーも自分のザックを後ろから取り出していました。 「あらっ、イリーの方がおっきい荷物ですね?」 「砂漠になれないkeiさんに、重たい荷物はつらいでしょ。」 砂漠なら火星で経験済みなんですが… しかも地球重力で! 「じゃあkeiさん、良いですか!鼻のあたりまでマントを被ります。腕のマントは両腕で合わせて顔をふさぎ、手で頭を抱えてくださいね。」 えっ走っている車から飛び降りるの? イリーは普段と変わらず当たり前に説明してますよ。 「飛び降りたら、胎児のように丸くなって、砂漠の上を転がってください。」 やっぱり飛び降りるんです! 「そうそう、頭を打ったり首をひねったりしないように、顎を弾いて、しかっり頭を押さえいくださいね!」 ええっ! 「走ってる車から、飛び降りるの!」 ジェイクさんはkeiを見てニコリとして、事情を説明してくれました(・_・; 「組織に後を付けられ、見貼られているかも知れないのです。降りたことがバレないように車を止められないんですよ。」 よく解りましたが… 「 keiさん、イリアさん、行きますよ!」 えー本当に飛び降りるんですか~ ジェイクさんはハツラツとした笑顔です。 「 keiさん!冒険の始まりです♪」 そして、親指を立ててグッドのサインです。 イリーもニコニコしてる… 「keiさんを怖がらないように気を使ってくれてるんですよ。」 さめの言うとおりかも、でも怖いものは怖い! ジェイクさんはドアを開けると、大きなリュックサックを落としました。 そして、飛び降りちゃいました! 「さぁkeiさん、勇気を出して!」 ドアに立ち外を見るとと、そんなにスピードは出てないみたい。 「 keiさん。硬めの圧雪バーンで転倒するのと、おんなじですよ。」 偉そうにさめったら、スノーボードしたことないくせに! 「ほらkeiさん、ザックを投げたら、ぴょんて飛び出してばいんですよ。」 ぽいっ! ザックはコロコロ転がってる 「さて、keiさん。」 ぴょん! ぴょん! 「口で言っても仕様がないでしょう!」  さめはイリーのお腹のウェストバックで、スポンジに包まれています。 「じゃあ、いちにのさん!で行きますよ。 いち! に~の! ポン! ぎゃ~ーー ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ 後から押された! でも、スピードは出てなかったみたい。 「 keiさん大丈夫だった!」 「いまイリー後から押したでしょう(-。-;」 「ごめんなさい。車が揺れたもんだからぶつかっちゃた。」 絶対ウソ! 「 keiさん、イリアさん、大丈夫でしたか?」 ジェイクさんも大きな荷物を抱えて走ってきた。 「この砂丘をもう少し下ってから、身を隠しましょう。」 身を隠すと言ってもね。 ジェイクさんはゴザのようなものを3枚広げて、スコップで砂をかけています。 その中に1人ずつ入るらしい 「この中で身を隠していましょう。」 「私たちはたぶんつけられているんです。こうやって身を隠して、あの車はオトリになります。車が向かうこの先の街には私の従姉妹が住んでます。私の身代わりになってもらう予定です。」 ござの中はやっぱり暑い! 「どのくらいこの中にいるの?」 「 1時間も入っていればいいでしょう。」 ジェイクさんの声が聞こえたよ。 「 1時間もこんなところ入ってるの?」 退屈だし、寝ちゃおうかなぁ… 「 keiさん起こしますから寝てていいですよ。」 寝ようと思うと眠れない病。 てか、とにかく暑い! 暑さを忘れられるような楽しいことないかなぁ。 イリー、衛星WiFi持ってきたかな? 「スマホでゲームしててもいいかなぁ。衛星携帯をつけて!」 「はーい!」 衛星携帯て便利だよね。 「だめです。keiさん!」 ああっ、さめがいつの間にかkeiのポッケに入ってる。 「こんなところで電波を出したら、組織に見つかっちゃいます。それにスマホは必要な時以外は使っちゃいけません。ネットにつなげなくてもゲームとかだめです。」 大切な時に使えるように、節電ってことですよ。 「カリカリぐるぐる充電器持ってきたよ。」 「それでもダメです!」 あああ退屈だなぁ~ ああっ! keiっいいこと考えた。 「イリー、しりとりしよう!」 「楽しいかもしれませんね。賛成!」 keiは日本人なので。えっへん(^^)v 「じゃあイリーから、しりとりで初めていいよ。」 「しりとり」 「りんご」 「ゴマすり」 「リス」 「推理」 「リイリイリイ、リクエスト 「とっくり」 「ん-利己主義」 「祇園祭」 「なんかイリーずるい!"り"ばっかり」 「変ですねぇ。 keiさんの番ですよ。」 「リンク」 「曇り」 「りばっかり」 「リハビリ」 「もう―そうじゃなくて!」 イリーったら最後は「り」になる言葉ばっかりが出てきます。 外国人なのに! 「イリーなんかインチキしてるでしょう。」 「してませんよ。はい、keiさんの番。」 「陸卵(りくたまご)」 「ゴキブリ」 「あっ、ちょっと待ってイリーさん。keiさんはインチキしてます。陸卵なんていう言葉はありません。」 「ちゃんとありますー!調べてみなよ。でもスマホ使えないんだっけw」 「絶対にありません!」 イリーに勝てない! 「しりとりなんてしなければよかった。全然つまらないね(-_-;)」 「面白いじゃないですか。」 イリーは楽しそうです。絶対負けませんオーラが伝わってくる(-。-; 「りばっかりで、全然つまんない。」 イリーったら意地悪そうにクスクス笑ってるのが聞こえてきた。 「イリーさん、日本語を勉強する時に、誰かとしりとりなんてしたんじゃないですか?」 たしかにサメの言うとおり! 「ええ、たくさんしましたよ。良く卓球をしながら、しりとりしました。中学生なる頃には私に勝てる人は誰もいませんでした。 やっぱり! 「イリーさん、猛者ですね!」 「他の語尾でもできるんですよw」 わーやっぱりずるい(-_-;) 「しりとりなんてつまんない!」 「 keiさんがしりとりをしよう!って言ったんですよ。」 「もういい頃でしょう、そろそろ出かけましょう。」 ジェイクさんの声がするとkeiのゴザを剥がしてくれた。 「誰も迎えが来ないようですが...」 イリーがマントを直してくれた。 「keiさん、ここからは歩いて行くんです。」 えええええええっ歩いてく(・・;)
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