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3宿題=この世界について考えること
僕はいま文机に向かっている。目の前にはまっさらな宿題ノートと自由帳。
僕は宿題をこつこつ進めるのが苦手な人間だ。だからこうして一ヶ月分の宿題を毎月30日にやっている。
そして自由帳はというと、この世界について考えたいじゃん!だから準備したのさ!
そして僕の頭の中で、宿題と考えることを天秤にかける。針はしばらく揺れていたが、やがてどんどんと考えることが下がっていく、、、。
もう僕の頭は止まらなくなっていた。平行世界のこと、この世界の真実。
気がつくと5時を回っていた。お母さんとお父さんは仕事で6時半に帰ってくるらしい。僕はさっき考えたことをノート(自由帳)に記す。字が雑になったけど、まあいいだろう。
こんなかんじで、刻々と時間は過ぎ、気がつけば6時20分嫌な予感がする。
カチャリ。
嫌な予感は的中した。
「ただいま〜」ときの抜けた声が聞こえてくる。僕は慌てて引き出しにノートを隠す。なんとかバレずに済んだようだ。僕は、お母さんの持っているビニール袋に目を向ける。
「勇人のために、辞書を買ってきたのよ」と、誇らしげにいう。僕はすぐさまお母さんの手から辞書を奪い取ると、文机の上でページを走らせた。調べるものはもちろん、平行世界。
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